葬儀の知識

葬儀後にすべきことは?役所関係や相続手続き、年忌法要も解説

遺産相続

葬儀後しなくてはいけないことは、たくさんあります。挨拶まわりや役所関係の手続き、香典返しや年忌法要、相続に関わる手続きなど、葬儀が終わったからといってホッとしている間もありません。どれから手をつければ良いのか戸惑う方も多いのではないでしょうか?
 
そこで今回は、葬儀後にしなくてはならない事柄を、項目別に解説してみたいと思います。できれば葬儀後に行うべきことのチェックリストを作成し、確認しながら進めていくと安心です。ぜひ参考にしてください。

もくじ

葬儀後の挨拶まわり

葬儀が終わり、まずやっておきたいことはお世話になった方々への挨拶と御礼です。できれば葬儀の翌日に伺うのが理想ですが、葬儀後は何かとしなくてはならないことが多くまわり切れないのが現状でしょう。
 
遅くても葬儀後の1週間程度を目安に挨拶まわりをしたいところです。挨拶まわりでの服装は、地味目の平服で構いません。先方に伺った際には長居することなく、挨拶と御礼を述べ帰ります。この際、喪主と遺族2名程度で伺うのが一般的です。前もって伺う旨を伝え、先方の都合に合うようにします。

葬儀でお世話になった方

・葬儀でお世話してくださった方々(受付や手伝いなど)
・弔辞を読んでいただいた方
・寺院の僧侶
・近隣の方など

お世話になった病院

故人が会社勤めだった場合には、直接の上司や仲の良かった同僚への挨拶はもちろん、机やロッカーにある故人の私物の引き取りも、この時に行うと良いでしょう。

故人の職場関係

故人が直前まで入院していたのなら、お世話になった担当医や看護の方々にも御礼とご挨拶をしておくと良いでしょう。

葬儀後、役所関係等ですべき主な手続き

次に葬儀が終わった後、役所関係ですべき手続きを解説します。煩雑な事柄が多いため、できるだけ手際よく済ませるためにも、事前にリストを作成しておくことをおすすめします。中には故人の死から期限が設けられている手続きもあるので、しっかり確認しておきましょう。

世帯主変更届(期限:死亡から14日以内)

届け出先:故人が住んでいた自治体(市区町村)の役場
 
   ※届け出に必要なもの 
    ・本人確認書類 ・印鑑 

住民票抹消届(期限:死亡から14日以内)

届け出先:故人が住んでいた自治体(市区町村)の役場
 
   ※届け出に必要なもの 
    ・本人確認書類 ・印鑑 

健康保険の被保険者資格喪失届の提出(期限:死亡から14日以内)

〇「国民健康保険」の場合(故人が自営業者などであった場合)
 
   届け出先:故人が住んでいた自治体(市区町村)の役場
 
   ※届け出に必要なもの 
    ・本人確認書類 ・印鑑 ・国民健康保険資格喪失届 ・国民健康保険証
    ・死亡を証明できるもの(死亡届のコピー等)
 
〇「健康保険」の場合(故人が会社員・公務員であった場合)
 
   届け出先:故人の勤務先
 
   ※届け出に必要なもの
    ・保険証など 

年金の受給停止

〇「国民年金」の場合(期限:14日以内)
 
   届け出先:故人が住んでいた自治体(市区町村)の役場・相談センター
 
   ※届け出に必要なもの 
    ・故人の年金証書 ・住民票 ・死亡診断書 ・戸籍謄本
    ・年金受給権者死亡届
 
〇「厚生年金」「共済年金」の場合(期限:10日以内)
 
   届け出先:故人が住んでいた自治体(市区町村)の役場・相談センター
 
   ※届け出に必要なもの 
    ・故人の年金証書 ・住民票 ・死亡診断書 ・戸籍謄本
    ・年金受給権者死亡届

死亡一時金の請求(期限:死亡の翌日から2年以内)

故人が国民年金を納めていたにもかかわらず、年金受給前に死亡したという場合に遺族が受け取ることができる給付金を「死亡一時金」といいます。
 
ただし、死亡一時金の請求は3つの条件を満たしている方が対象となります。
 
  ① 故人が第1号被保険者であること
  ② 故人が36ヶ月以上、年金を納付していた
  ③ 故人が国民年金の給付を受けていなかった
 
  ※遺族基礎年金・寡婦年金を受ける場合は支給されません。
 
   
   届け出先:故人が住んでいた自治体(市区町村)の役場・相談センター
 
   ※届け出に必要なもの 
    ・故人の年金手帳 ・故人の住民票(除票) ・戸籍謄本 
    ・国民年金死亡一時金請求書・印鑑 
    ・申請者名義の金融機関の通帳やキャッシュカード

所得税の申告と納税(期限:死亡から4か月以内)

生前の故人の収入に対して、相続人にあたる人が故人に代わって所得税の申告(準確定申告)をします。ただし、故人の所得が1事業所からの給与所得のみだった場合や、故人の年金所得が400万円以下で年金以外の所得が20万円以下だった場合は、申告が不要となります。
 
   届け出先:故人が住んでいた住所地を管轄する税務署
 
   ※申告に必要なもの 
    ・源泉徴収票 ・保険料等の支払証明書 ・確定申告書 

雇用保険受給者資格証の返還(期限:1か月以内)

故人が雇用保険受給者であった場合には、雇用保険受給者資格証を返還しなくてはいけません。
 
   届け出先:故人が受給を受けていたハローワーク
 
   ※返還に必要なもの 
    ・受給資格者証 ・死亡診断書 ・死体検案書 ・住民票 等 

後期高齢者医療の資格喪失届の提出(期限:14日以内)

故人が75歳以上で、後期高齢者医療の制度を利用していた場合には、資格喪失届を提出します。
 
   届け出先:故人が住んでいた自治体(市区町村)の役場
 
   ※返還に必要なもの 
    ・被保険者資格喪失届

介護保険の資格喪失届の提出(期限:14日以内)

故人が40~65歳未満もしくは65歳以上で、要介護・要支援認定を受けていた場合には、介護保険の資格喪失届を提出します。
 
   届け出先:故人が住んでいた自治体(市区町村)の役場
 
   ※返還に必要なもの 
    ・被保険者資格喪失届

運転免許証の返納

急がなくても構いませんが、トラブルを防ぐという意味でも、なるべく早く手続きすることが良いでしょう。

パスポートの返却

運転免許同様に急がなくても構いませんが、トラブルを防ぐという意味でも、なるべく早く手続きする方が良いでしょう。

葬儀後の年忌法要

次に、通夜・葬儀が終わった後の法要や喪中について解説していきます。

初七日(しょなのか)法要

中陰(49日までの法要の期間)の中で最初の1週目を初七日といいます。本来は故人の死から7日目に行う法要ですが、近年は葬儀当日に行うのが主流となっています。

49日(しじゅうくにち)法要・香典返し

人は亡くなってから49日後に、魂の赴き先が決まると言われています。ですので、49日はとても大切な法要となります。この49日には「49日法要」を営みますが、その準備として以下のようなものがあります。
 
49日をもって納骨をするのが一般的ですが、近年では49日ではなくても百か日・一周忌に納骨することもあります。
 
・法要場所(自宅か寺院が一般的)と日時を決める。
 
・参列者への連絡
 
・本位牌の手配(早めに依頼しておくのが良い)
 
・法要の供え物、参列者への食事や返礼品等
 
・僧侶への布施、車代等
 
また、49日の忌明けを目途に、葬儀で香典を頂いた方々へ「香典返し」を送る手配をします。

百か日(ひゃっかにち)法要

百か日は卒哭忌(そっこくき)ともいわれ、声を上げるほどの大きな悲しみから卒業する目安に時期ともいわれています。49日の審判で故人の魂が極楽に行けなかった際には、この百か日の法要の功徳で故人の魂が救われるとされていて、大切な法要であると位置づけられています。
 
百か日法要の主な準備は以下の通りです。
 
・法要場所(自宅か寺院が一般的)と日時を決める。
 
・参列者への連絡
 
・法要の供え物、参列者への食事や返礼品等
 
・僧侶への布施、車代等
 
 
<h3> 一周忌・三回忌・七回忌・十三回忌・三十三回忌
 
百か日を過ぎると、 一周忌・三回忌・七回忌・十三回忌・三十三回忌と年忌法要を行います。
 
年忌法要の主な準備は以下の通りです。
 
・法要場所(自宅か寺院が一般的)と日時を決める。
 
・参列者への連絡
 
・法要の供え物、参列者への食事や返礼品等
 
・僧侶への布施、車代等

葬儀後の相続に関する手続き

上記に加えて、故人の遺産相続に関する手続きも進めていかなくてはなりません。相続に関する主な手続きは以下の通りです。

遺言書があれば遺言書の確認(期限:なるべく早い方が良い)

故人が遺言書を遺していた場合、その遺言書が以下のどれにあたるかによって行う手続きが違ってきます。
 
・「自筆証書遺言」なら裁判所での手続き
 
・「公正証書遺言」なら相続人の調査と確認
 
・「秘密証書遺言」なら裁判所での手続き 

相続放棄する場合の手続き(期限:3か月以内)

故人の遺産を相続放棄する際に行います。例えば、故人の遺産がプラスではなくマイナス遺産が多い場合などに有効ですが、相続放棄の手続きにも時効があるので、時効を迎える前に手続きを済ませておきましょう。

不動産関連の名義変更等(期限:特にないがなるべく早い方が良い)

故人の不動産(土地・家屋)を相続する際に名義変更が必要ですが、この場合の名義変更とは「所有権移転登記」のことをいいます。この手続きの期限はないものの、手続きをせずにいると様々なリスクが予想されます。なるべく早いうちに手続きを済ませる方が賢明といえます。

預貯金・株式の名義変更(期限:特にないがなるべく早い方が良い)

故人の遺産相続の内、預貯金や株式を相続人の名義に変更する必要があります。故人が取引でていた金融機関や証券会社などで名義書換の請求書を提出します。

相続税の申告・納付(期限:相続開始を知った日から10か月以内)

相続税の申告と納付はどちらも10か月以内となっているので、注意が必要です。ただ10か月と聞くと時間的に余裕があると考えがちですが、実際には遺産分割協議であったり、膨大な資料を揃える作業があるため、期限の楽観視は禁物です。
 
申告期限を過ぎると税金が加算されてしまうので、葬儀後は他のことも進めながら、相続税を期限内に申告・納付できるようにしていく必要があります。

葬儀後のその他の手続き

上記以外で、葬儀後に行う手続きは以下の通りです。

生活に関する手続き

電気・ガス・水道・電話・携帯電話・インターネット契約・クレジットカード契約などです。特に故人が世帯主であれば、名義変更が必要となります。

生命保険の手続き(期限:3年以内)

故人が民間の生命保険や企業の団体保険、国民共済等に加入していたら、その契約内容を確認し、保険金の請求手続きを行います。保険金の受け取りは、申告制になっているので必要書類を揃えて早めの手続きを行いましょう。請求の窓口は、契約していた各機関となります。

その他

その他にも以下のような手続きがあります。該当するものがあれば、葬儀後すみやかに手続きするのが望ましいでしょう。
 
・葬儀費用請求(国民健康保険)
・遺族基礎年金請求(国民年金)
・埋葬料請求(労災保険)
・葬祭料や家族葬祭料の請求(船員保険)
・医療費の一部還付請求(高額医療費制度)

まとめ

今回は葬儀後に行うべきことを、まとめてみましたがいかがでしたでしょうか?ちなみに喪中期間はおおよそ13ケ月を目安としてお祝い事を避けるのが一般的です。葬儀以降、期日までにしなくてはいけないことは沢山ありますが、少しでもスムーズに行えるよう、ぜひ今回の記事を参考にしてみて下さい。

カテゴリ:お葬式のマナー

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