葬儀の知識

喪中の範囲とは?気になる親等と忌引き休暇も解説

故人を弔う

知っているようで案外知らないのが、親族の喪中の範囲です。また身内が亡くなった際に学校や職場で取得する忌引き休暇も、故人との関係にあたる親等で決めることがほとんどです。そこで今回は喪中に関わる親族の親等や忌引き休暇について、くわしく解説していきます。

親等と続柄について

葬儀に関する事柄や遺産相続の場でよく耳にするのが「親等」という言葉ですが、この親等をわかりやすく言うなら、親族に関する単位のひとつです。この親等という単位は、親族間の遠近を測ることができる物差しともいえます。

例えば、この単位が小さいほど親族関係が近く、逆に大きければ親族関係が遠いということになります。ここでは、民法上で定められている3親等までの関係性を説明したいと思います。

1親等

自分から見て「夫」「妻」にあたる関係

2親等

自分から見て「父母」「配偶者の父母」「子供(出生順番は問わない)」にあたる関係

3親等

自分から見て「兄弟」「姉妹」「兄弟姉妹の配偶者」「祖父母」「孫」「配偶者の兄弟」「配偶者の姉妹」「配偶者の兄弟姉妹の配偶者」「配偶者の祖父母」にあたる関係

知っておくと便利な分類「直系」「傍系」

親族の分類の種類に直系・傍系があります。この直系・傍系という分類は親等とは異なるものになりますが、知っておくと相続問題の際に役に立ちます。
 
【直系】……自分と直接的に親子関係にあたる人(父母・祖父母・子・孫等)
 
【傍系とは】……自分と同じ祖先で、直系から枝分かれしている人(兄弟姉妹・叔父・叔母・甥・姪・いとこ・配偶者の兄弟姉妹・配偶者の叔父・配偶者の叔母等)

喪中について

親族の関係がわかったところで、喪中の具体的な在り方について説明したいと思います。ここでは喪中にあたる親族・喪中期間・喪中期間に控えることやしてもいいことについて解説します。

何親等まで喪中にあたる?

喪中に関する法律は現代では定められていません。したがって、こうでなければならないといった具体的な決まりはなく、あくまで一般的な目安といったものになります。同居・別居などの付き合い方の深浅にもよりますが、2親等までが喪中とされています。

ちなみに、喪中期間については明治時代に太政官布告による定めがありました。この定めは昭和22年に廃止されています。この時の定められた喪中期間が、少なからず現代も影響を受けているともいえるでしょう。

喪中期間はいつまで?

それでは具体的な喪中期間について説明します。
 
〇自分から見て故人が「父母」「義父母」の場合 → 喪中期間は12~13か月
 
〇自分から見て故人が「子供」の場合 → 喪中期間は3~12か月
 
〇自分から見て故人が「祖父母」の場合 → 喪中期間は3~6か月
 
〇自分から見て故人が「兄弟」の場合 → 喪中期間は1~6か月
 
〇自分から見て故人が「曾祖父母」「伯叔父母」の場合 → 喪中期間は3~12か月

喪中期間に控えること

喪中というと、お祝い事が制限されるイメージがありますが、具体的にはどのようなことが喪中期間に控えるべきことなのでしょうか?

【新年のお祝い】
控えるべきこととして、「新年のお祝い」があります。喪中期間中に新しい年を迎える際には、お正月のお祝い事は行いません。もちろん年賀状や新年のご挨拶も執り行いませんが、喪中はがき(年賀欠状)を以って、喪中である旨を事前に周囲に知らせる必要があります。
 
喪中はがきは、先方が年賀状を書いてしまわないように配慮して、11月~12月半ばくらいに相手先に届くように準備をします。ただ、故人が亡くなった日にちによっては、喪中はがきがその期間までに準備できないこともあります。
 
そうした場合は、寒中見舞いを以って、喪中期間である旨を先方に伝えれば大丈夫です。寒中見舞いは1月8日~2月4日に投函するようにしましょう。
 
【結婚式などのお祝い事】
 
以前は喪中にあたる本人が、喪中期間内に結婚式を挙げるということは、タブーとされていました。しかし近年では、四十九日が過ぎていれば結婚式を挙げても支障ないとされることもあるようです。ただ地域によってその観念は異なりますので、よく親族間で相談し決めていくのがよいでしょう。
 
【神社への参拝】
 
喪中期間、神社への参拝は不可とされています。その理由は、神道においては、人の死は穢れであると位置づけることに由来します。ただし、神道においての喪明け(50日)以降は参拝が可能とされています。

喪中期間でもしていいこと

それだは反対に喪中期間であっても、しても良いとされることはどのようなことでしょうか?

【寒中・残暑見舞い】
 
寒中見舞いや残暑見舞いは、喪中期間であっても送って良いとされています。その理由として、寒中・残暑見舞いはどちらも先方への季節の気遣いの便りであって、お祝い事にはあたらない為です。
 
だからといって葬儀後の慌ただしい時期に、例年通り寒中・残暑見舞いを出す必要はありません。またこの期間に、寒中・残暑見舞いが届いたとしても、急いで返信する必要もありません。諸々の用事が落ち着いた頃に、近況の報告がてら返信すれば大丈夫です。
 
ちなみに寒中見舞いや残暑見舞いは、送る相手が喪中にあたる人であっても、何ら問題はありません。
 
【御中元・御歳暮】
 
御中元や御歳暮もお祝い事にあたるわけではなく、先方への感謝や日頃のお礼を表す意味合いのものなので、寒中・残暑見舞いと同じく問題はありません。ただし、四十九日を過ぎてから御中元・御歳暮を贈るのが基本です。また紅白の水引は用いず、白もしくは無地の包装を用いるようにします。
 
【寺院のお参り】
 
神社と違い、寺院は死に対しての考え方が異なります。喪中期間であっても寺院への参拝は問題ありません。
 
【その他】
書初め・餅つき・節分などもお祝い事にはあたらず、喪中期間であっても大丈夫とされています。

親等と忌引き休暇について

身内に不幸があると、学校や職場で忌引きが認められます。ここでは親等と忌引きについて解説します。

忌引きと認められる親等

職場や学校で認められる忌引きは、一般的に3等親までとなっています。ただし、忌引きは法律等で定まっているものではなく、正確には各企業や学校によります。また3親等までといっても直系のみと定まっている場合もあります。

忌引き休暇が認められない4親等以上の場合でも、故人との親しかった関係上、どうしても葬儀に参列したいという方もおられることでしょう。そうした場合は上司に相談してみるのも一案です。

忌引きと休暇の期間

忌引き休暇の日数も、各企業や学校によって異なります。一般的には、故人に近い親等ほど忌引き休暇の日数が多くなっています。また同じ親等数であっても、故人との関係性から忌引き休暇の日数を変えている企業もあるようです。
 
例えば、同じ1親等であっても故人が配偶者なら10日、故人が父母にあたるなら7日といった具合です。

知っておきたい忌引き休暇に関するマナー

忌引き休暇とはいえ、取得する際にはマナーがあります。特に職場においては、自分の担当する仕事が中断されるため、上司や同僚に負担をかけてしまうことが想定されるためです。その分、充分に周囲に配慮をし、必要な事柄はしっかりと上司や同僚に伝えておく必要があります。
 
ここでは忌引き休暇を取得するためのポイントを、連絡方法・伝える内容の観点から解説します。

メールではなく口頭で伝える

近い身内が亡くなった時は、まず電話や口頭で直接の上司に伝えるのがマナーです。普段から仲のよい上司であれば、一旦はメールなどのツールを使って故人の死を連絡することもあるでしょう。しかし、落ち着いたらきちんと電話をかけて、状況説明をしたいものです。
 
先述したように、突然の休暇により職場仲間には多少なりとも迷惑や負担をかけてしまいます。直接に口頭で、休暇をとらせて頂く感謝と仕事で迷惑をかけてしまうことのお詫びを伝えることが、社会人としての常識といえます。

メールでは必要事項の伝達と確認

上司に電話をかけた際には、伝えるべき事柄をしっかりと伝えておくのもマナーです。故人との関係・通夜葬儀の日程・葬儀会場等、必要事項を伝えます。また場合によっては香典を遠慮するケースや家族葬で参列を遠慮するといったケースもあることでしょう。そうした場合も、きちんと上司に伝えるようにします。
 
また仕事上確認しなければならない事案が起こっても、通夜や葬儀中に確認することができません。自分が休んでいる間にどのような引継ぎが必要かを想定して、しっかりと伝えておくように心がけます。仕事内容の細かい内容については、電話を切った後にメールで知らせても構いません。
 
また電話をかけた際には、忌引き休暇が何日間あるのかも確認しておきましょう。

その他、喪中に関する事

その他、知っておくと役に立つ喪中に関する知識をご紹介しましょう。

「忌中」と「喪中」の違い

忌中は、故人のために祈りを捧げる期間として、仏式では四十九日までの間、神式では五十日祭、キリスト教では召天記念日(命日より一ヵ月)とされています。一方で喪中とは、喪に服する期間の事を指し、忌中よりも長い期間(おおよそ1年間)が設けられています。

葬儀においての親族とは何親等まで?

葬儀の場において親族と呼ばれる身内は、一般的に3親等が目安とされています。ただ、これにも確かな決まりというものはなく、あくまで目安なので、親族同士、親しい付き合いがあったかどうかで判断されることもあるようです。

喪中はがきを出すのは何親等まで?

一般的に喪中はがきを出す目安は、2親等です。ただしこれといった決まりはなく、同居・別居などや故人との関り方の深浅によっては、3親等であっても喪中はがきを出すケースもあります。個々の家庭での判断によって異なります。

まとめ

喪中の範囲・続柄・親等・忌引き休暇などに関して解説してみましたが、いかがでしたでしょうか?特に忌引き休暇などは企業によって定めが異なります。マナーを踏また忌引き休暇の取得や、また喪中の過ごし方を行いたいものですね。今回の記事が参考になれば幸いです。最後までご覧いただきありがとうございました。

カテゴリ:お葬式のマナー

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