2021-07-16
知っておきたい焼香のマナー焼香のやり方や回し焼香も!
葬儀に参列する際に、毎回焼香のやり方やマナーがわからず不安になってしまうという方も多いのではないでしょうか?焼香の機会はそんなにあるわけではないので、やり方を覚えることは難しいかもしれません。
そこで今回は、葬儀における焼香のマナーについて解説していきます。焼香のマナーから焼香の種類や宗派別の焼香の作法までをわかりやすくご紹介します。どうぞ最後までご覧ください。
もくじ
そもそも焼香とは?
香は仏教の伝来と共に日本に伝わったといわれています。葬儀において必ず行われる焼香には、そもそもどんな意味が込められているのでしょうか。その意味は大きくわけて3つあります。まず 1 つ目は、 焼香をすることにより邪気を払い自分自身を清浄にする と言われています。
清浄にした身で、仏様に 敬意を表していく のが2つ目の意味とされ、3つ目の意味として、故人への感謝と弔い・廻向 といわれています。このように仏式の葬儀における焼香は、大きな意味が込められているのです。
焼香のやり方とマナー
それでは実際の焼香のやり方とマナーを解説していきたいと思います。
基本的な焼香のやり方
焼香は通常、喪主・遺族・親族・参列者の順に行われます。まず利き手側の親指と人差し指、そして中指を用いて抹香をつまみます。次につまんだ抹香を頭の額の高さに持っていきます。(押し頂くという気持ちで抹香を掲げる。)この時、頭は軽く下げた状態になります。その後、抹香を香炉にくべます。
この動作は1~3回繰り返されますが、回数は参列者の多さや宗派によって違います。(後ほど宗派ごとの説明をします。)以上が基本的な焼香のやり方になりますが、焼香は主に3つのスタイルがあるので、ここからはそれぞれの作法を詳しく解説していきます。
立礼焼香
立礼焼香とは、一般的な椅子席の葬儀会場によくみられる焼香方法で、立ったまま焼香をします。名前を呼ばれたら(もしくは順番がきたら)周りの方に軽く頭を下げ席を立ちます。焼香台の前に来たらご遺族・僧侶に向かって一礼します。
故人の遺影に一礼し焼香が終われば、後ろに一歩下がり故人の遺影に合掌します。そしてご遺族・僧侶に向かって一礼し自分の席に戻ります。
座礼焼香
座礼焼香とは葬儀会場が小さく和室などで執り行われる、座った状態で行う焼香方法のことです。立礼焼香と同じように名前を呼ばれるか自分の番が回ってきたら、席を移動しご遺族・僧侶に向かって一礼し、次に故人の遺影に一礼します。
焼香をしたら故人の遺影に合掌し、最後にご遺族・僧侶に向かって一礼し席に戻ります。座礼焼香の移動の作法として、中腰が良いとされますが、焼香台と自分の座ってる位置が近い時には膝行・膝退(座ったままの移動のこと)で構いません。
回し焼香
自宅で葬儀を行う際によく用いられるのが回し焼香です。自宅などの場合は焼香台を設けるスペースの確保が難しく、この回し焼香 のスタイルが多く見受けられます。盆の上に香炉と抹香を置き参列者間で回しながら焼香 していきます。
一般的には読経中に香炉を回します。必ず両手で受け渡しを行い、軽く頭を下げ会釈をするのがマナーです。故人の遺影に一礼し焼香を行います。その後遺影に一礼して合掌し、盆を隣の方に回します。
流れ焼香 随時焼香
上記の3つが主な焼香のスタイルとなりますが、この他に流れ焼香といわれるものがあります。 流れ焼香は随時焼香ともいわれ、通夜や告別式には参列せず焼香のみ行うことをいいます。
なお、最近増えてきた家族葬は、そもそも参列が親族のみといった葬儀なので、流れ焼香自体を設けていないのが現状のようです。家族葬の場合で、焼香を希望する際は後日連絡をし弔問するといった形をとるのが良いでしょう。
宗派によって違う焼香のマナー
以上が基本的な焼香のやり方やマナーとなります。ですが先述したように、同じ仏式でも宗派によって焼香の作法が違ってきます。ここでは各宗派ごとの焼香の作法をご紹介します。
真言宗
焼香の回数は3回。親指・人差し指・中指を用いて抹香をつまみ、額あたりに掲げ押し頂いたのち香炉にくべます。数珠は左手に持ち、房は下側にくるようにします。
天台宗
焼香の回数は1~3 回。親指・人差し指・中指を用いて抹香をつまみ、額あたりに掲げ押し頂いたのち香炉にくべます。数珠は左手に持ち、房は下側にくるようにします。
浄土宗
焼香の回数は1~3 回(定めがない)。親指・人差し指・中指を用いて抹香をつまみ、左手を添えるようにして額あたりに掲げ押し頂いたのち香炉にくべます。合掌時、数珠は両手の親指と人差し指ではさみます。(房は手首あたり。)
浄土真宗 (本願寺派)
焼香の回数は1回。親指・人差し指・中指を用いて抹香をつまみ、そのまま香炉にくべます。(押し頂かない。)数珠は左手に持ち、房は下側にくるようにする。合掌時、 数珠は左手にかけ、房は下側にくるようにし右手を輪の中に通します。
浄土真宗 (大谷派)
焼香の回数は2回。親指・人差し指・中指を用いて抹香をつまみ、そのまま香炉にくべる。(押し頂かない。)数珠は左手に持ち、房は下側にくるようにする。合掌時、数珠は左手にかけ、房は下側にくるようにし右手を輪の中に通します。
臨済宗
焼香の回数は1回。親指・人差し指・中指を用いて抹香をつまみ、左手を添えるようにして額あたりに掲げ押し頂いたのち香炉にくべます。数珠は左手に持ち、房は下側にくるようにします。
曹洞宗
焼香の回数は2回。 1回目は親指・人差し指・中指を用いて抹香をつまみ、左手を添えるようにして額あたりに掲げ押し頂いたのち香炉にくべます。 2 回目は抹香をつまみ、そのまま香炉にくべます。数珠は左手に持ち、房は下側にくるようにします。
日蓮宗
焼香の回数は1回。親指・人差し指・中指を用いて抹香をつまみ、左手を添えるようにして額あたりに掲げ押し頂いたのち香炉にくべます。数珠は左手に持ち、房は下側にくるようにします。
まとめ
今回の記事に関するポイントを以下のようにまとめました。
【ポイント】
1.焼香とは、自分を清浄にした後、仏様に敬意を払い故人を弔うという意味合いが込められている。
2.親指・人差し指・中指で抹香をつまみ、額に押し頂きながら香にくべるのが焼香の基本である。
3.焼香には、立礼焼香・座礼焼香・回し焼香とがあり、それぞれに作法がある。
4.宗派によって焼香の作法は違うので、参列前によく確認しておくのが良い。
いかがでしたでしょうか?今回は焼香のマナーややり方をご紹介しました。宗派によって違いはあるものの焼香の基本を知っておくことで戸惑うことなく焼香ができ、心から故人を弔い送ることができるのだと思います。最後までご覧いただきありがとうございました。
カテゴリ:お葬式のマナー