2021-09-10
葬儀でのマナー・いつから持つ?気になる数珠の持ち方について
葬儀の際、意外と気になるのが数珠の持ち方やマナーです。焼香時など、他人の持ち方を参考にしているという方も案外多いのではないでしょうか?そこで今回は葬儀における数珠の持ち方やマナーをくわしく解説してみたいと思います。
もくじ
数珠について
通夜や告別式に必要な数珠ですが、葬儀において数珠を持つということはどういった意味合いがあるのでしょうか?ここでは数珠に関することをご紹介します。
数珠の意味
そもそも数珠とは仏教の法具の一つ です。数珠の玉の数は 108 あり、人間の持つ煩悩の数ともいわれています。仏教の儀式の中では、この数珠の 108 の玉を用いてお経文の数を何回唱えたか数えます。また数珠を持つことで煩悩を破り、仏の功徳を身に備えることができる ともいわれています。
数珠の種類
・本式数珠
本式の数珠とは先ほど述べた108 の玉からできている数珠のことです。仏教の各宗派ごとに本式の数珠の形状や呼び名が定められています。決まった宗派の本式数珠を持っているなら、葬儀でも使ことができます。
・略式数珠
決まった宗派の数珠は持っていないという方も多いと思います。一般的に葬儀で使う数珠の殆どが略式数珠 です。この略式数珠は、珠の数が本式より少なく 22 玉のものが主流となっています。
自分で買ってはいけないの?自分専用の数珠
数珠というのは、祈念を込めたり持ち主のお守りというような意味合いも持ち合わせています。一つの数珠を家族や友人間で使いまわすものではありません。いざという時のためにも、自分専用の数珠を 買って 準備しておく ことをおすすめします。最近はいろんな種類の数珠が販売されているので、自分の気に入った数珠を選ぶと良いでしょう。
数珠の持ち方
それでは、通夜や告別式での数珠の持ち方やマナーを詳しく解説したいと思います。
数珠はいつから持つ?数珠を持つタイミング
通夜や告別式で数珠を手に持つのは、通夜・告別式のはじめから終わりまで です。タイミングがわからなくて不安という方は、 通夜・告別式の席に着座したと同時に左手に数珠を持つように心がけていれば大丈夫です。
焼香時以外では、数珠の房を下にした状態で左手に持ちます。くれぐれも、焼香の順番が回ってきてから慌てて数珠を持つようなことはないようにしたいものです。
焼香時の数珠の持ち方
各宗派によって焼香時の数珠の持ち方は違います(後ほど詳しく解説)。ここでは一般的な焼香時の数珠の持ち方をご紹介します。まず名前を呼ばれたら(焼香の順番が来たら、数珠の房を下にした状態で、焼香台まで進みます。
左手に数珠をかけたまま焼香を行い、焼香が終われば数珠を両手にかけ(もしくは左手にかけたまま)故人の遺影に向かって合掌します。 その後、左手に数珠を持った状態で自分の席まで戻ります。
数珠の取り扱いに関するマナー
数珠は法具の一つです。通夜や告別式の会場で自分の席を離れる際など、椅子の上に直接数珠を置くことのないように 気をつけましょう。数珠を置いて席を離れる際は、バックの中にしまうかハンカチを敷いてその上に数珠を置くようにするのがマナーです。
宗派ごとの数珠の持ち方
基本的な数珠の持ち方さえ覚えておけば、自分の宗派の本式数珠をどの宗派の葬儀で使っても問題はありません。ここでは主な宗派ごとの数珠と持ち方をご紹介します。
真言宗
真言宗は弘法大師を祖とします。真言宗の本式の数珠は、主玉数108 ・親玉数 2 ・四天王玉数 4 からなり、振分(ふりわけ)数珠とも呼ばれます。合掌時は、中指の外側に親珠と房が出るようにして持ちます。
天台宗
最澄を祖とする天台宗の本式の数珠も、主玉数 108 からなります。お経文の数を数えやすいよう、主となる玉には平玉(丸ではなく扁平玉)ろ用いてるのが特徴的です。合掌の際は、両手の中指と人差し指の間にかけ、房はそのまま垂らします。
浄土真宗
浄土真宗は親鸞を祖とする宗派で、男性用の数珠は、主玉が22 (略式数珠と同じ)が主流とされています。女性は主に、主玉 108 ・親玉 2 ・四天王 4 のものを用います。合掌時には、房は手の外側にし、数珠を親指と人差し指の間に挟み込みます。
浄土宗
浄土宗は法然を祖とします。輪が異なる二つの数珠を組み合わせているのが特徴で、それぞれ 27 玉・ 20 (もしくは 40 )玉となってます。合掌時には、房は両手首内側にし、数珠を親指と人差し指の間に挟み込みます。
日蓮宗 日蓮正宗
日蓮宗・日蓮正宗はともに日蓮上人を祖とした宗派です。本式数珠は主玉の数が108 からなり、 3 本と 2 本の房がついています。 10 の数取玉が房のひとつについているのが特徴です。合掌時には、二重にした数珠を左手に持ち、親指・人差し指の間にかけます。
曹洞宗 臨済宗
禅宗の一つである曹洞宗と臨済宗は、道元を祖とします。108 の主玉からなる数珠もほぼ同じですが、曹洞宗の数珠は金属の輪がついているのが特徴的です。合掌の時には、二重にした数珠を左手の親指と人差し指に挟み込み、房を下にします。
まとめ
今回の記事に関するポイントを以下のようにまとめました。
【ポイント】
1.数珠は法具の一つで、本式数珠と略式数珠があり、葬儀では略式数珠が使われることが多い。
2.数珠は使いまわしをせず、自分専用のものを用意しておくと良い。
3.葬儀では通夜・告別式の始まりから終わりまで数珠を手に持っておく。
4.焼香時以外は房を下にし、左手で持つのがマナー。焼香時は数珠を両手にかけて合掌をする。
5.数珠は法具なので丁寧に扱い、椅子や畳の上に直かに置くことのないようにする。
6.宗派ごとに正式数珠や手に持つ作法が異なる。
今回は葬儀における数珠のマナーについて解説しましたが、いかがでしたでしょうか?数珠は法具の一つとして略式でも良いので自分専用のものを持ち、マナーや作法をきちんとわきまえて使うことが大切です。最後までご覧いただきありがとうございました。
カテゴリ:お葬式のマナー