葬儀の知識

葬儀における弔辞のマナーお別れの言葉や例文も!

葬儀運営スタッフ

懇意にしていた方が亡くなると、ご遺族から弔辞を依頼される場合があります。弔辞というのは前々から準備できるものでなく、急に依頼されるわけですから、何をどう書けばいいのかと迷ってしまう方も多いと思います。

しかし弔辞に関するマナーをきちんと踏まえ、心を込めて書いたものならきっと故人やご遺族に届く弔辞となることでしょう。そこで今回は葬儀における弔辞のマナーについて、わかりやすく解説していきたいと思います。

弔辞とは

葬儀における弔辞とは、故人に捧げる別れの言葉となります。また故人を弔う言葉、故人を偲ぶ言葉ともいえます。最後の言葉という意味合いから通夜で読まれることはなく、弔辞は殆ど告別式で読まれます。

葬儀で必ず弔辞が読まれるということはなく、親族だけの家族葬などでは弔辞が読まれない場合もあります。また弔辞は故人へ最後に贈られる言葉なので、どんな宗派でも無宗派であっても読まれます。

弔辞を依頼する側のマナー

一般的に弔辞は、故人との親交が深かった方に依頼します。友人・会社の上司・先輩・後輩・同僚・同級生など様々ですが、弔辞を依頼するのは遺族以外の方 ということを心に置いておきましょう。弔辞を依頼する人数は13人となります。(人数は葬儀の規模によります。)

弔辞を読むのが友人ばかり3人などと偏ってしまうことなく、友人・上司・後輩等バランスよく依頼するのが理想です。読む順番は目上の方から読んでいただくのが良いでしょう。

弔辞を依頼された側のマナー

弔辞を依頼されたら、お受けするのがマナーといえます。弔辞を依頼されるということは、遺族側から見てもこの方ならと信頼をされてのことです。気持ちよく引き受けたいものです。

また故人との親交が深かったという理由で、遺族側からの申し出がなくとも 自分から弔辞を申し出るといったことも可能です。マナー違反にはなりません。

弔辞のマナー

ここでは具体的な弔辞のマナーをご紹介します。具体的な弔辞の構成・包み方・葬儀での流れ、また弔辞で使ってはいけない NG 言葉についてわかりやすく解説していきます。

弔辞の構成

弔辞のひな形や定型文というのはありませんが、弔辞の構成の流れとして押さえておきたい重要ポイントがあります。おおまかな弔辞の構成やポイントをご紹介します。

・故人の死に対する悲しい気持ち・故人との関係性
・故人ならではの人柄、エピソードなどを盛り込む
・故人の死を悼み、ご遺族にお悔やみの言葉を述べる
・故人へのお別れの言葉を述べる

弔辞の包み方

墨で巻紙にしたためた弔辞文を「奉持紙」に包んで表に「弔辞」と書くのが正式ですが、 通常の葬儀なら便箋に書いた弔辞を白い無地の封筒に入れる包み方でも問題ありません。

葬儀での実際の流れ

実際に弔辞を読む時間は、3分程度 と考えてください。 原稿用紙( 400 字)でいうと約23枚程度 となります。名前を呼ばれたら前に進み、ご遺族に一礼します。そして故人の遺影に向かい一礼します。

弔辞を読む際は、あまり感情移入しないように気をつけましょう。読み終わった弔辞文は奉持紙で包み(封筒に入れ)、故人の方に向けた状態で供えます。故人の遺影に一礼し、最後にご遺族に一礼し席に戻ります。

葬儀で使ってはいけない 忌み言葉

冠婚葬祭では使ってはいけない忌み言葉というものがあります。言葉は言霊ともいい、不吉とされる言葉を使わないことで不幸を繰り返さないといった日本固有のマナー です。「重ね重ね」「次々」「再び」「死」「浮かばれない」「四」「九」などと言った忌み言葉を使わないように気をつけましょう。

構成ごとの弔辞例文

ここでは弔辞の構成ごとの例文をご紹介します。

・故人の死に対する悲しい気持ち
「〇〇さんの突然の訃報に接し、大変な驚きとともに大きな悲しみに包まれています。」

「〇〇さん、ここに謹んでご逝去を悼み、謹んでお別れの言葉を述べさせていただきます。」

「〇〇さん、あなたの突然の訃報を聞いた私は、すぐに信じることができませんでした。」

・故人の人柄、エピソードなど
「いつも笑顔で周りの人に明るく接してくださった〇〇さん。あなたの優しさにいつも心がホッとしていたことを想い出します。」

「何よりも写真を撮ることが大好きだった〇〇さん。週末になるとよく写真を撮りに出かけていましたね。」

「社内においての〇〇さんといえば、いつも人が嫌がる仕事を率先して行っていた〇〇さんの姿が目に浮かびます。〇〇さんにはどれだけ助けてもらったかわかりません。」

・故人の死を悼み、ご遺族にお悔やみの言葉
「もっと〇〇さんと語らいたかった。しかしそれももう叶わないのですね。ご家族もさぞかし悲しみ深いことと存じます。心よりお悔やみを申し上げご冥福をお祈り申し上げます。」

「最愛のご家族の残し逝ってしまう〇〇さんの気持ちを想うと、胸が張り裂けそうです。またご遺族の方々のお心はいかばかりかと思うとご同情に堪えま せん。」

「〇〇さんのご遺徳はきっと子供さんに受け継がれ、遺されたご家族の心の支えとなっていかれることと思います。私共も微力ながらご家族のお役に立たせていただく所存です。」

・故人へのお別れの言葉
「名残は尽きませんが、お別れの時がきました。〇〇さん、あなたのご冥福を心よりお祈りしお別れの言葉とさせて頂きます。」

「〇〇さん、今までほんとうにありがとうございました。そしてこれからもご家族を、私たちを見守っていてください。さようなら。」

「そろそろ最後の言葉を〇〇さんに捧げなくてはいけません。〇〇さん、たくさんの思い出をありがとう。あなたに出会うことができ本当によかった。さようなら。そしてどうぞ安らかにお眠りください。」

まとめ

今回の記事に関するポイントを以下のようにまとめました。

【ポイント】
1.弔辞とは故人に手向けるお別れの言葉である。

2.弔辞は故人と親交が深かった方に、遺族側から依頼する。

3.弔辞を依頼されたら、お引き受けするのがマナーである。

4.弔辞は重要なポイントを盛り込みながら、 3 分程度で読み終える長さに書く。

5.弔辞は奉持紙に包むのが正式だが、白い封筒でも構わない。表に「弔辞」と書く。

6.忌み言葉を使わないように気をつける。

弔辞を依頼されると戸惑うこともあるかもしれませんが、弔辞は故人の人生の最期の締めくくりに手向ける大切な言葉です。無理にうまく伝えようとせず、真心を込めればきっと心に残る弔辞となることでしょう。最後までご覧いただき、ありがとうございました。

カテゴリ:お葬式のマナー

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