葬儀の知識

葬儀における香典の書き方やマナー中紙や金額の書き方も!

香典

人生の節目節目の行事を大事にする日本において、冠婚葬祭にかかる費用も大きな金額が必要とされてきました。葬儀においても然りで、葬儀にかかるお金を少しでも援助しようという助け合いの精神から、葬儀の際には香典を渡す慣習が生まれました。

特に香典袋の書き方には日本特有のマナーがあるので、間違えないよう気をつけたいものです。そこで今回は、葬儀における香典の書き方やマナーをわかりやすくご紹介したいと思います。表書き・裏面や中紙の書き方や宗派・宗教ごとの香典の書き方、さらには漢数字についても詳しく解説していきますので、どうぞ最後までご覧ください。

香典の書き方

ここからは、実際の香典の書き方やマナーをご紹介したいと思います。ここでは香典の意義・表書き・中袋・裏面・名前・金額の観点から解説していきます。

表書き

香典袋の表書きは、基本的に薄墨の筆ペンや毛筆で書くのがマナー です。香典の場合、薄墨は悲しみや驚きの象徴としてとらえられます。「故人の死を想うと涙で墨が薄くなってしまった。」「驚きのあまり墨がちゃんとすれず、薄くなってしまった。」という意味合いが込められているのです。

後述しますが、一般的に表書き・上段には四十九日までは「御霊前」、四十九日以降は「御佛前」「御仏前」 と書きます。表書き・ 下段には自分の名前をフルネームで 書き入れます。

中袋

香典袋に中袋がついているものがあります。この中袋は、香典のお金を入れるための袋です。中袋がついていたら、 香典の金額・住所・氏名を書き入れるのがマナーとされています。筆ペンなどを用いてはっきりとわかる字で書きます。

後の香典返しの際の大切な情報ともなります。忙しいご遺族に負担をかけないためにも、 住所・氏名は省略せず正しく書くようにしましょう。郵便番号を記入するとなお丁寧です。中袋の表側・中央に香典の金額を書きます。

そして中袋の裏側・左下の位置には住所・氏名を書きます。この中袋には、住所・氏名・金額の記入するスペースが設けられているタイプがありますので、その場合は枠内に収まるように書きます。

【正しい数字の書き方】
香典の金額の数字は、漢数字を用いるのがマナーとされています(金額の改ざんを防ぐ目的)。ここに漢数字を記しておきますので参考にしてください。

1=壱 2=弐 3=参 5=伍 7=七 8=八 10=拾 千=仟 万=萬

※4 (四)は、「死」と繋がるため香典では使用しません。
※6 ・ 8 は、割り切れる数字なので基本的には香典で使わないようにします。 2 は、最近では時と場合により使うこともあるようです。
※9 は、「苦」と繋がるので、香典では使いません。

裏面

中袋がついていない場合は、香典袋の裏側に住所・氏名・金額を記入します。この場合も中袋同様、遺族の負担がないようにはっきりとわかるように記入するようにします。

宗教別の書き方やマナー

続いて宗派・宗教別における香典の書き方やマナーについて解説します。

仏教

先述したように仏教では、四十九日までは「ご霊前」、四十九日を過ぎると「御仏前」や「御佛前」と書くのが基本です。この書き方の違いにはちゃんとした理由があり、人は亡くなって四十九日経つと霊界での赴く先が決まる、即ち仏となるとされています 。

ですので四十九日までは「霊」、四十九日以降は「仏」と書くのです。ただし同じ仏教でも宗派によって死生観が違います。宗派によって香典の書き方が違うのもそうした理由があるのです。以降で説明しますが、もし 先方の宗派がわからなければ、どの宗派でも通用する「御香典」「御香料」と書くと良いでしょう。

浄土真宗・真宗大谷派

同じ仏教でも浄土真宗や真宗大谷派では、人は亡くなるとすぐにお浄土に赴くと考えられています。ですから 四十九日以前であっても香典の書き方は「御仏前」 となります。誤って「ご霊前」と書いてしまうとマナー違反になるので気をつけましょう。

曹洞宗

曹洞宗においては、もともと浄土に関する教えがないため、四十九日以前・以降も香典には「御仏前」と書く のがマナーです。

キリスト教

続いてキリスト教の香典の書き方をご紹介します。キリスト教にも宗派があり、代表的なのがカトリックとプロテクタントです。 カトリックでの香典の書き方は、「御花料」「御ミサ料」「献花料」 が一般的です。また プロテクタントでは「御花料」「献花料」「 忌慰料 」 と書くのが一般的です。

さらにカトリックでは「御霊前」と書いてもOK ですが、プロテクタントでは NGとなるので気をつけてください。キリスト教での葬儀が執り行われるということがわかっていても、先方の宗派までは不明という場合は、「御花料」「献花料」のどちらかで大丈夫です。

神式(神道)

神道においては、人は死は「神様から頂いた命を、神様に返す」ととらえます。なので死後は家の守り神になると考えます。その為、故人の死を弔うというより、守り神となる準備として穢れ(けがれ)を浄めるための儀式と位置付けられています。

神式の葬儀における香典の表書きは「御玉串料」「御榊料」「御神饌料」 となります。

こんな場合は?

以上が香典の基本的な書き方やマナーになりますが、ここからはそれ以外のケースについて解説してみたいと思います。

香典を複数人で包む場合

香典に2~3 名を連名で書く場合には、まず下段・中央に代表格の人の名前を書き、以降左側へ順番に名前を書いていきます。 4 名以上なら代表格の人の名前を下段・真ん中に書き、その左側に「外一同」もちくは「外 3 名」のように書き入れます。

香典を会社で出す場合

香典を会社から出す場合、代表者(社長)の名前を下段・中央に書き、名前の右側に株式会社 ○○” と社名を書き入れます。部署として香典を渡す場合、下段・中央に “○○部一同 と書き、その右側に 株式会社〇〇 と書くようにします。

夫婦連名で書 く場合

夫婦連名で書く場合は、下段中央に夫の名前を書き、その左側に妻の名前(名字は省く)を書きます。

まとめ

今回の記事に関するポイントを以下のようにまとめました。

【ポイント】
1.表書きは薄墨を用い、上段には四十九日までなら「ご霊前」、四十九日以降は「御仏前」「御佛前」と書き入れる。下段には名前をフルネームで書く。

2.中紙には住所・氏名・金額を書く。香典の場合の金額は漢数字を用いるのがマナーである。

3.中紙がない香典袋は、裏面左下に住所・氏名・金額を記入する。

4.浄土真宗・真宗大谷派・曹洞宗は四十九日以前でも「御仏前」と書く。

5.先方の宗派がわからなければ 「御香典」「御香料」と書くと良い。

6.キリスト教カトリックは 「御花料」「御ミサ料」「献花料」、プロテクタントでは「御花料」
「献花料」「 忌慰料 」と書く。

7.神式では 「御玉串料」「御榊料」「御神饌料」と書く。

8.複数人連盟の場合・会社からの香典の場合・夫婦連名の場合の書き方にもマナーがあるので、よく確認してから記入するようにする。

近年では家族や親しい人だけで故人を送る家族葬が増え、香典を辞退するご遺族も増えつつありますが、香典を渡す場合は今も昔も変わりなく心を込め、マナーを守りたいものです。最後までご覧いただきありがとうございました。

カテゴリ:お葬式のマナー

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